2011年9月22日

隠岐アートトライアル

出展作家の岡田毅志さんがディレクションする「隠岐アートトライアル」が開催されました(9.14−19)。お手伝いに行っていた真部くんに様子を報告してもらいます。


「朝鮮学校ダイアローグの搬出が終わって翌日、真部は島根県隠岐ノ島に向かい、お手伝いをしてきました。展示の手伝いをある程度したら、海で釣りをしたりすぐ帰るつもりが、ばっちり初日まで手伝いました。














主に作業したのは、美田小学校の体育館の展示で、過去約100年間の卒業生の卒業写真を机の上に貼り付けたものを100個、並べた作品でした。館内の照明も、みんなで手作り、得意技でもある電設工事と設置は私がやりましたよー。会期が近づくにつれ、地域の人たちが集まってきて協力してもらい、場準備が進んでいきます。



影絵の上映準備も、運動場から眺めているだけでワクワクしてきます。当日居られないのが残念。地元の人々が楽しみにしているのを聞いてたので、きっと素晴らしい雰囲気の上映会になることでしょう。





今回のアートディレクターを担当した、岡田さん、田島さんは短い期間で全てをこなして、砂鉄の物語の作品(鉄を溶かす窯で使う薪をオブジェ化した作品)深夜5時まで連日制作しておりました。





私としては今回手伝いとして参加したことで、全体を見る必要がなく、朝鮮学校の時とは違う視点で二人の足りない部分を補うことが出来たように思います。朝鮮学校の時にも、自分のような立場の人が居ればなあーと、つくづく考えてしまう毎日でした。反省。初日には、地域に住む方、卒業生が多く来られていました。さすが長年地域と共につくってきた活動だなと思いました。










最終日に、この企画で毎年お世話になっている松新さんにひとり、イカ釣りに連れていっていただきました。日が暮れていくなか、光を焚いて海から現れてくるイカの姿は神々しく神の使いそのものの様に思えてなりませんでした。少しの時間でしたが大漁で、なんと20杯、入れ食い状態でした。感謝、その日に皆で美味しくいただきました。やっぱり隠岐、西ノ島といえばイカです。


といった具合に、隠岐を後にしました。この参加を通して、また別の視点で来年の朝鮮学校での活動を考えるのにいい機会になりました。地域の人が中心になってそこから生まれてくるものを掬いあげるアートという形の重要性にあらためて気付かされました。」


… 岡田さん、真部くんお疲れさまでした!


HP(隠岐アートトライアル

http://oki-art-try.jimdo.com/

ブログ「砂鉄の物語」   

http://satetuno.exblog.jp/


岡田さんは10月に総社の古民家を使った企画にも参加されます。

http://www.heart-art-okayama.net/2011-1/池上遊覧鉄道/


こちらは岡山からも近いので是否行きたいと思います!


2011年9月14日

ジュンナンさん個展

大阪でソン・ジュンナンさんの個展がありました(9/4〜10)

ジュンナンさんからのメールに
松田さん、院生の稲津さんが来場されたこと、
哲成さん&ゴンチャさんからの花が届いたことが書かれ、
「ダイアローグは続いていると思いました」と結ばれていました。

ということで、松田さんに個展の様子を伺ってみました

"絵画10点ほどの連作で、人が寝ている間に意識的、無意識的に「こうなったらいいな」とか「こうなってほしい」といった思いがイメージとして広がっていく、そういう様子を、真っ白なキャンバスを使って軽やかな線画(パステル調の色使い)で描いた、絵本の挿絵のような作品です。
すごくストレートでかわいい色使い、という点ではセットン柄の柵と同様、ジュンナンさんらしい作品でした”


↑ 
この写真は、ギャラリーの近くの公園の猫(逃げられた)の写真。
個展の写真は撮らなかったということで、ほぼ関係ないですが
余白がいい感じなので載せちゃいました。
猫を撮るのはホント難しいですねー


清水さん(南北楽観主義)、ソンさん(個展)と来て
次は、岡田さんの隠岐のプロジェクトですね

2011年9月8日

南北楽観主義!














撤収作業がすべて終わりましたー。ふー。

とはいえ、内心、終わった気がしない…。
個々の作品への応答、今回の企画が提起した問いの多くが、まだ未消化なままな気がします。
来場者の反応など、まだまだ書くことも多いので、しばらくこのブログは続けるつもりです。

…さて、先日、朝鮮学校ダイアローグに参加された清水さんも出品されている「南北楽観主義」(高松〜宇野)をゴンチャ君、まなべ君とともに見学してきました。


 







 ▲船上で、朝鮮学校ダイアローグのアンケートに目を通すゴンチャ君。
「今回をきっかけに、いろいろ、広がりそうですねー」














高松会場の清水さんの作品は、柱から水が伝い落ちるというもの。
洞窟のような空間、礼拝する場所などでも見てみたいですね。

じつは、清水さんがこの作品をつくる背景にあったのが、
朝鮮学校の作品にも共通する「ナショナリズム」のテーマ。
美的な感性とナショナルなものと… 
個人的には、作家の考えを聞くことと自分の感性で観賞すること、
両方ある方が、より楽しめますですね。











高松を後にし、宇野で清水さんと合流。
その後、清水邸にて4人で「みんゴル」!

「南北楽観主義」は、9月11日まで





2011年9月5日

最終日…



最終日は…




つよい風に、るんみさんの雲が出歩き






フットサル後、焼き肉。













                   ヤンキーせんぱい御来場!
                    

        
         



2011年9月3日

「ロシア」水没の危機


台風直撃でロシアも水没の危機にあります。
「ロシア」とはグランドの穴ぼこを砂利で埋めた部分のことで、領土の広さにちなんでサッカー部でそう呼んでいたそうです(チッスさん談)。
そんなロシアも「海ながめ」(岡田さん作品名)の様相を呈しております。
今日は16時にて撤収しました。

連日、多様なお客さんが来られています。
卒業生、藤田の住人、陶芸家、文筆業、学生時代在日について学んでいた女性、
全国の小さなアートプロジェクトをまわっている方、etc...










先日来られた藤田の川元さんは岡田さんの作品を見た
翌日、明治時代の地図を届けてくださいました。
明治40年、藤田はまだ海のなかです。

















朝鮮学校ダイアローグHP

2011年9月1日

「波紋」

土日のイベントが過ぎると来場者は少なくなりましたが、落ち着いて作品を感じ、来場者一人ひとりと話す時間が持てるようになりました

そうした時間のなかで、スタッフとしてどっぷり企画に浸かっていると見えない視点を頂いたり、様々な感想を聞くことで作品の感じ方が変化してくるのも楽しいです。


個人的に感じ方の変化した作品は、真部くんの「波紋」です。

数ヶ月前、作品の構想を聞いた段階では、静謐な空間に波紋が美しく広がる様を思い描き、焼き肉のタレも、ほんのりと香るくらいのもを想像していました。なので、出来上がった作品の匂いの主張をまえに思考停止してしまいました。

焼き肉のたれの甘い香りは、だんだんと酸味を増し、タレは微生物の培地になり、作品自体が変化しています。作品自体、生き物として日に日に成長します。

さて、今回の展示作品いちばんの “問題作” について、来場者の反応はどうだったか。ある人は、この匂いを思いの深さとして受け止め、またある人は、「不気味さ」と「かっこよさ」の両方を指摘し、子どもは逃げ出しました…。


二つの水滴は同時に落ちないので、二つの波紋はなかなか重なりませんが、ジリジリとしながら匂いに身を浸していると、その一瞬が訪れます。

写真は「匂い」や待つあいだの「時間」を写しません。匂いに浸されながら待つあいだ、理性とは別の回路がじわじわと押し広げられます。

朝鮮学校ダイアローグ 

http://www.artdialogue.jpn.org